アパートのガス代が高い理由とは?ガス代節約のために入居者ができること
アパートのガス代が予想以上に高く、お悩みではありませんか?賃貸物件では、特有の料金構造や設備費用の転嫁が原因で、ガス代が高額になりがちです。
本記事では、ガス代が高い理由から2024年の法改正による変化、さらに入居者が今すぐ実践できる節約術まで分かりやすく解説します。
この記事でわかること/解決できること
- 戸建または分譲マンションに住むファミリー層の世帯主
- 新居への入居や住み替えをきっかけに、都市ガス契約を検討している人
- 光熱費の見直しや生活サービスの一括管理をしたい人
目次
アパートのガス代が高い理由とは?
アパートのガス代が高騰する背景には、ガスの種類による違いや独自の商慣習があります。
プロパンガスを使用している
アパートのガス代が高い場合は、建物全体でプロパンガスを使用している可能性があります。プロパンガスは、各家庭にガスボンベを配送するため、人件費や車両維持費が発生します。また、都市ガスが公共料金として一定の規制を受けるのに対し、プロパンガスは自由価格制です。
そのため、プロパンガスはガス会社が独自に料金を設定できる仕組みになっており、結果として都市ガスの約1.8〜2倍と高額になる傾向があります。
プロパンガスの適正価格
現状の料金が高いかどうかを判断するために、プロパンガスの適正価格を知っておきましょう。一般的に、基本料金は1,500円から2,000円程度、従量単価は500円から600円前後が戸建て物件における適正な範囲とされています。
ただし、プロパンガスの価格は配送コストや競争状況により地域差があり、集合住宅では適正化価格を上回って設定されているケースも少なくありません。お住まいの地域の平均価格や適正価格と比較し、自分の契約内容が極端に乖離していないかを確認することが重要です。
大家がガス会社と「無償貸与契約」を結んでいる
アパートなどの集合住宅では、大家とガス会社の間で「無償貸与契約」が締結されている場合があります。これは、ガス会社が給湯器や配管などの設備費用を肩代わりして設置する代わりに、その費用を入居者のガス料金に上乗せして回収する仕組みです。
大家にとっては設備費用を抑えられるメリットがありますが、入居者は本来負担すべきではない設備費用を、高いガス代として支払い続けることになります。
プロパンガス物件では入居者がガス会社を自由に変更できない
アパートやマンションなどの賃貸物件では、入居者が個別にガス会社を選んで契約を切り替えることは困難な場合が多いでしょう。建物のガス供給設備は一括して特定の会社が管理しており、配管やガスメーターなどの所有権もその会社が保持している場合が多いためです。
入居者がガス会社を変更したいと思ったら、まずは物件の管理者に相談する必要があります。
賃貸物件のガス契約はどう変わった?液化石油ガス法改正の4つのポイント
2025年4月に施行された改正省令により、不透明な料金設定が厳格に制限されました。改正における4つのポイントを解説します。
三部料金制の義務化
省令の改正により、基本料金・従量料金・設備費用をそれぞれ個別に記載する「三部料金制」の採用が義務付けられました。これによりガス料金の内訳が明確となり、消費者が料金の妥当性を判断しやすくなっています。
ガス消費と関係ない設備費用の請求禁止
ガス調理器具や給湯器といったガス消費に直接関係する設備を除き、エアコンやテレビ、冷蔵庫などの「消費設備ではない」家電製品の費用をガス料金に上乗せして請求することが禁止されました。
これにより、ガス会社が大家に対して過剰なサービスを提供し、そのコストを入居者が肩代わりするという不適切な商慣習の是正が期待されています。
設備費用の入居者への転嫁の禁止
プロパンガス物件の入居者に対しては、配管や給湯器などのガス消費に関係する設備であっても、その費用をガス料金に転嫁することを制限しています。これにより、入居者は自身が使ったガスへの対価のみを支払うという、適正な形に近づきます。
契約前の情報提供の強化
入居希望者が契約前にガス料金を確認できるよう、不動産仲介業者などを通じた情報提供が義務化されました。物件の入居を検討する段階で、基本料金や従量単価、過去の平均的な使用料金などの提示を受けられるようになっています。
これにより、入居後に「思っていたよりもガス代が高い」といったトラブルを未然に防ぐことが可能となりました。
アパートのガス代を下げるために入居者ができること
アパートのガス代を抑えるには、日々の使い方を見直すことに加え、契約内容について相談してみる方法もあります。実際には、入居者自身でガス会社を変更したり料金を大きく下げたりするのは難しいケースが多いものの、管理会社や大家さんへ相談することで見直しにつながる可能性はあるでしょう。
ガス料金の値下げを交渉する
現在契約しているガス会社に対して、直接料金の値下げを交渉する方法があります。地域の平均価格や他社の料金プランを引き合いに出し、「他と比較して高いので相談したい」と伝えてみましょう。
特に、法改正により料金の透明性が求められている現在は、交渉の余地が生じやすくなっています。ただし、集合住宅の場合は個別の値下げが難しいケースもあるでしょう。
大家にガス会社の変更を交渉する
ガス会社を決定する権限を持つ大家に対し、ガス会社の変更を提案することも手段のひとつです。プロパンガス会社同士の競争は激しく、他社に切り替えることで基本料金や従量単価が大幅に下がる可能性があります。
「ガス代が高いために退去を検討している」といった入居者の切実な声は、大家にとって空室リスクを避けるための重要な判断材料になります。同じ物件の入居者と協力して要望を出すと、より説得力が増すでしょう。
ガス消費量を減らす工夫をする
ガス料金の契約変更が難しい場合でも、日々の使い方を工夫すれば月々の支払額を抑えられます。おもに家庭内でガス消費量が多いお風呂・キッチン・暖房の3つにおいて、ガス消費を抑える習慣を身につけることが大切です。
お風呂のガス代の節約方法
家庭のガス消費の7〜8割を占めるのがお風呂(給湯)です。お風呂のガス代を抑えたい場合は、まず追い焚きの回数を最小限に抑えることを意識しましょう。家族がいる場合は間隔を空けずに入浴し、入浴中以外は風呂蓋をこまめに閉めて湯温の低下を防いでください。
また、シャワーの設定温度を1度下げるだけでも、年間で大きなガス代の節約効果が見込めます。さらに、節水シャワーヘッドを導入すれば、使用する湯量を30〜50%程度カットできるため、ガス代と水道代を同時に抑制可能です。
キッチンのガス代の節約方法
キッチンにおけるガス代節約の基本は、調理時の火加減を適切に調節することです。炎が鍋の底からはみ出してしまうと、熱が周囲に逃げてしまい無駄が生じるため、中火以下での調理を心がけてください。
また、落とし蓋や鍋の蓋を活用して熱効率を高めたり、熱伝導率の良い調理器具を選んだりすることも効果的です。野菜の下ゆでには電子レンジを併用し、ガスコンロの使用時間を短縮する工夫も推奨されます。
さらに、洗い物の際には給湯温度を低めに設定し、お湯を出しっぱなしにしない習慣を身につけることで、ガス消費量を着実に削減できます。
暖房機器のガス代の節約方法
ガスファンヒーターなどの暖房機器を使用する際は、設定温度を1度低く保つよう意識してみましょう。設定温度を1度下げることで、ガス代を5〜10%削減できます。厚手のカーテンを使用したり、窓に断熱シートを貼ったりして、室内の熱を外に逃がさない環境をつくることが大切です。
また、フィルターが目詰まりしていると燃焼効率が落ちて余計なガスを消費するため、2週間に1回程度の掃除も欠かせません。サーキュレーターを併用して天井付近にたまった暖気を循環させることも、効率よく部屋を暖める有効な手段です。
なお、短時間の外出であれば、頻繁に電源をオン・オフするよりも、設定温度を下げてつけっぱなしにする方が消費量を抑えられる場合があります。
ガス代節約のため次回の引っ越しで注意したいポイント
次回の引っ越しでガス代を抑えたい場合は、物件選びの段階で「都市ガス」の物件を優先的に探すとよいでしょう。都市ガスはプロパンガスと比較して基本料金や従量単価が安く設定されていることが多いため、月々の固定費を大幅に削減できる可能性があります。
もし希望のエリアに都市ガス物件がない場合は、事前に不動産会社を通じてプロパンガスの料金体系を問い合わせてください。改正により、契約前に料金の目安を提示することが義務化されたため、納得した上で契約を進めることが可能です。
まとめ
アパートのガス代が高いおもな理由は、プロパンガスの自由価格制や、設備の初期費用をガス代に上乗せする「無償貸与契約」という特有の構造にあります。しかし、現在は省令の改正により、公正な料金体系への是正が進んでいます。
入居者個人でガス会社を変えることは困難ですが、現状の料金について大家や管理会社に相談したり、日々の入浴や調理の方法を見直したりすることで、負担を軽減することは十分に可能です。本記事を参考に、無理のない範囲で節約に取り組んでみてください。
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